サロンde人権のおしらせ
第89回 サロンde人権 (2012年2月例会)
- 特別講演会: 脳死・臓器移植と人間の尊厳
- 話題提供: 小松美彦(東京海洋大学海洋科学部教授)
- 日時: 2012年2月18日(土) 午後2時〜5時
- 場所: 大阪市立大学文化交流センターホール(大阪駅前第2ビル6F)
2010年7月に「改定臓器移植法」が施行されてから、およそ1年5ヶ月が経った。この改定法の重点は、「臓器提供については、本人が拒絶の意思を示していないかぎり、家族の承諾だけで認められる」ということにある。そして2011年12月6日現在で、本人の意思が不明のまま、家族の承諾だけで、61人の脳死者から心臓や肝臓などの臓器が摘出され、移植に用いられた。他方、改定法では、臓器提供とは無関係に脳死が一律に人の死と定められたはずであったが、厚生労働省は同法の施行前に、正反対の見解を表明した。すなわち、法律によって脳死が人の死と規定されているかの否か、日本は混乱に陥っているのだ。
しかしながら、法律による規程の有無を問わず、そもそもなぜ脳死が人の死といえるのだろうか。本講演では、まず「脳死=死」に関して多面的に検証し、そのうえで、脳死・臓器移植が推進される背景を考えてみたい。そこには国家による経済政策はもとより、「人間の尊厳」という疑われることの少ない伝統的な西洋の概念が横たわっているように思われる。本講演は、この「人間の尊厳」概念を問いなおし、その改革を図るものでもある。
小松美彦(こまつ・よしひこ) 東京海洋大学海洋科学部教授 (科学史科学論、生命倫理学)
主な著書に、『死は共鳴する――脳死・臓器移植の深みへ』(勁草書房)、『脳死・臓器移植の本当の話』(PHP新書)、『メタバイオエシックスの構築へ――生命倫理を問いなおす』(共編著、NTT出版)、『爛熟する生権力社会(仮)』(近刊、青土社)など。
第88回 サロンde人権
- タイトル: 大賀正行先生と友永健三先生による最終講義
- ◯大賀正行「大阪市立大と部落問題、これまでの歩みと今後に期待するもの」
◯友永健三「人間は尊敬すべきものだ〜水平社宣言と90年の運動から学ぶこと」 - 日時: 2012年2月15日(水) 午後1時半〜午後4時
- 場所: 大阪市立大学田中記念館 2階会議室
両先生は、長年にわたって部落問題に関する講義を担当されてきました。二人とも本学の文学部出身であり、卒業後、部落解放運動、研究を全力でとりくまれてきました。本学では、講義などを通して、学生にも大きな影響、指導力を発揮されてこられました。本年度をもって講義担当を後進に譲られます。多年にわたるご尽力に感謝して、あらためてお二人のお話を聞く機会をもちます。ふるってご参加ください。
〈大賀先生の講演要旨〉
当時の部落の実態や教育・行政・運動の状況などの時代的背景を踏まえて、学生時代の差別体験、市大で部落研を創設したときの思い、大阪市大に部落問題論を開講を実現されきた経緯、 学生に講義をすることで 考えたこと、それを踏まえて、これからの市大に期待するものについてお話いただく。
〈友永先生の講演要旨〉
全国水平社は、1922年3月3日、京都の岡崎公会堂で創立された。この創立大会で採択された宣言は、日本における最初の人権宣言として今日もなお多くの人びとに大きな影響を与え続けてきている。今年で、90周年を迎えるが、この機会に、改めて水平社宣言が語りかけていることと、90年に及ぶ運動の歴史から学ぶことをお話いただく。
更新情報
- 研究活動に2008年「人権問題に関するアンケート調査」報告書を公開しました。
大阪市立大学人権問題研究センター

